青雲寮だより・・・2025年7月

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2025年7月6日 @青雲寮

北陸電力企業説明会レポート:脱炭素社会を支える電力インフラ企業の魅力とは

先日開催された北陸電力の企業説明会に参加し、同社の事業内容や働き方について詳しく話を聞いてきました。電力業界の現状から具体的な労働環境まで、幅広い内容が語られた説明会の様子をお伝えします。

2020年の電力システム改革で生まれ変わった企業構造

まず驚いたのは、北陸電力の現在の企業構造でした。2020年の電力システム改革により、従来の北陸電力は北陸電力と北陸電力送配電の2社体制に分かれています。

「なぜ分社化したのか」という質問に対し、担当者は「新電力事業者との公平な競争を実現するため」と説明してくれました。送配電という公共性の高い事業を分離することで、他の電力会社が不利にならないよう配慮したのだそうです。興味深いことに、同じ会社でありながら情報統制が厳格に行われているとのことでした。

両社合わせて約5,500名という規模の中で、全体の約7割が技術系職種だというのも印象的でした。やはり電力会社は技術がモノを言う世界なのだと実感しました。

業界最大の課題「カーボンニュートラル」への本気度

説明会で最も力を入れて語られたのが、カーボンニュートラルへの取り組みでした。実は電力業界は、全産業の中で最もCO2排出量が多い業界なのだそうです。だからこそ、各電力会社がこの課題に本気で取り組んでいると感じました。

北陸電力の強みとして特に印象に残ったのが、水力発電の比率の高さです。なんと電源構成の4分の1を水力発電で賄っているというのです。全国平均が10%であることを考えると、これは驚異的な数字です。豊富な水資源に恵まれた北陸地方ならではの強みですね。

また、原子力発電についても興味深い話がありました。今年春に国が発表した第7次エネルギー基本計画で、原子力が重要電源として再び位置づけられたことを受け、同社も再稼働に向けて諦めずに取り組むという強い意志を示していました。

特に革新的だと感じたのが「PPAサービス」という取り組みです。顧客の余剰地に太陽光発電所を建設し、そこで発電した100%再生可能エネルギーを顧客に供給するというものです。顧客の脱炭素化を支援しながら、自社の再エネ発電量も拡大できる、まさにWin-Winの関係を築く画期的なサービスだと思いました。

全国一の安定供給力に驚き

「北陸電力は全国で最も停電しない電力会社です」という言葉には正直驚きました。北陸地方といえば、雪や雨、海沿いの塩害など、電力設備にとって厳しい条件が揃っているイメージがあったからです。

それでも停電回数が全国最少を維持しているのは、優れた設備構成と保守体制があってこそなのでしょう。「停電しないことにかける思い」という表現からは、同社の強い使命感が伝わってきました。

能登半島地震の際の対応についても詳しく聞くことができました。震災翌日には中部電力と関西電力が応援に駆けつけ、最終的には沖縄電力を除く全国9電力会社が復旧支援に参加したそうです。沖縄電力が来なかった理由が「スタッドレスタイヤを持っていなかった」というのは、なんだか微笑ましいエピソードでした。

地域との絆の深さに感動

北陸電力の特徴として特に印象深かったのが、地域との密接な関係です。多くの自治体と包括連携協定を結び、エネルギー課題の解決を共同で取り組んでいるのです。

自治体職員として出向し、地域のエネルギー政策を直接支援するという話には感動しました。また、富山マラソンや金沢マラソンなどの地域イベントにも積極的に参画しているそうです。単なる電力供給会社ではなく、地域社会の一員として真剣に向き合っている姿勢が伝わってきました。

働きやすさを追求した労働環境

働き方についての話も非常に興味深いものでした。社員の95%がフレックスタイム制度を利用しており、朝7時から夜9時まで、コアタイムなしで自由に働けるというのです。

「極端な話、朝7時に出社して朝8時に帰っても大丈夫」という説明には笑ってしまいました。もちろん月の総労働時間は守る必要がありますが、これほど柔軟な制度は珍しいのではないでしょうか。

メンター制度についても魅力的でした。新入社員には必ず、同じ地元や出身大学の先輩が2〜3年間サポートについてくれるそうです。初めての職場で不安な気持ちを抱える新人にとって、これほど心強いサポートはないでしょう。

研修制度の充実ぶりも印象的でした。専用の研修センターがあり、新しい業務を始める際には必ず教育機会が用意されているとのことです。「若いうちはまた研修かと思うほど充実している」という表現からは、人材育成への本気度が伝わってきました。

資格支援制度では、国家資格取得に対して数万円から数十万円の支援金が支給されるそうです。難易度に応じて金額が決まっており、電気主任技術者などの難関資格では数十万円が支給されるというのは驚きでした。

実際の働き方データに納得

2023年度の実績として提示されたデータも説得力がありました。年間休日123日、月平均残業時間22時間(能登半島地震対応を含む)、有給取得日数21.2日、そして男性育児休業取得率100%という数字には正直驚きました。

特に残業時間については、通常時は19〜20時間程度だそうで、災害対応の影響を考えると非常に良好な水準だと感じました。「5,000人の会社で平均2時間増えるとかなり増える」という説明からも、能登半島地震の対応がいかに大変だったかが伝わってきました。

キャリアパスの明確さが魅力

技術系と事務系でキャリアパスが明確に分かれているのも特徴的でした。技術系は内定時点で配属部門が確定し、その分野でのスペシャリストとして成長していきます。一方、事務系は様々な部門を経験してジェネラリストとして育成されるそうです。

また、総合職とプロフェッショナル職という2つのコースがあり、プロフェッショナル職はエリア限定で現場に特化した働き方ができるのも魅力的でした。地元で腰を据えて働きたい人にとっては理想的な選択肢だと思います。

松田社長の「挑戦」への想い

最後に紹介された松田社長のメッセージも印象的でした。「変革の時代を機会と捉え、挑戦しよう」というスローガンには、困難を乗り越えて成長していこうという強い意志が込められています。

電力業界は東日本大震災以降、大きな変化を迫られてきました。分社化、自然災害、世間の厳しい目など、様々な困難がある中で、それらをビジネスチャンスとして捉える姿勢には感銘を受けました。

説明会を終えて感じたこと

今回の企業説明会を通じて、北陸電力は単なる電力会社ではなく、地域社会と深く結びついた社会インフラ企業であることがよく分かりました。脱炭素社会実現という大きな社会的使命を背負いながらも、働く人のことをしっかりと考えた企業文化が根付いていると感じました。

特に印象に残ったのは、災害対応での社会貢献や地域密着の姿勢です。電気というライフラインを支える仕事の重要性と、それに携わることのやりがいを強く感じました。

採用に関しては、専用のマイページが全ての入り口となっているため、興味のある方は早めの登録が必要とのことでした。夏季インターンシップも技術系・事務系問わず実施されているので、業界に興味がある学生にとっては絶好の機会だと思います。

エネルギー業界で社会貢献したい、地域に根ざした仕事がしたい、技術で社会を支えたいという想いを持つ人にとって、北陸電力は非常に魅力的な選択肢だと感じた説明会でした。
北陸電力企業説明会の様子です。脱炭素社会の実現に向けた取り組みについて詳しくお話しいただきました。
今回も最後までお読みくださりありがとうございました!
是非次回も楽しみにしてください!